言語聴覚士の現状
言語聴覚士が働く場所は、医療機関、社会福祉施設や介護施設などで、教育機関でも活躍しています。
しかし、多くの言語聴覚士が医療分野だけでも必要なのですが、言語聴覚士の求人は残念ながら、作業療法士や理学療法士と比較すると圧倒的に少ないのが現実です。
その理由は、言語聴覚士という名称や治療の実績が、作業療法士や理学療法士と比べると、あまり知られていないことにあります。
また、健康保険での診療報酬が、2002年度まで理学療法士などと比べて、極端に低かったこともあります。
そのため、病院において言語療法士を採用することが遅れていました。
2002年の改定後は、診療報酬が理学療法士などと同じ額になるなどしてから、やっと求人数が増えてきています。
ところが、もうすでに作業療法士や理学療法士が働いている病院では、新しく言語療法士を採用することは難しい状況にあります。
さらに、2003年まで介護保険でも、デイケアでは言語聴覚士のリハビリテーションの介護報酬が認められていませんでした。
2003年4月からようやく介護報酬が認められましたが、未だに訪問リハビリテーションでは報酬が出ていません。
このことも採用がなかなか進まない要因になっています。
このように、言語聴覚士によるリハビリテーションの実績が、法制化が遅れたことが影響して、正当に評価されなかったことは本当に残念なことです。
しかし、障害のある人にとっては、言語聴覚士も理学療法士などと同じように、心の支えとなるべき仕事です。
これから、時間はかかったとしも、報酬も含めて言語聴覚士の地位が向上し、より広く社会に求められるようになるに違いありません。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
女性が活躍する言語聴覚士
言語聴覚士を目指す学生は、女性の比率が高いようです。
その理由は、女性の言語聴覚士のほうが、患者さんにとって接しやすいということです。
リハビリテーションを行なう現場では、患者さんが不安で緊張してしまいがちですが、相手が女性だと空気が和みやすくなるようです。
言語聴覚士の仕事は、個室で患者さんと一対一で向き合うので、落ち着いた環境を作り出すことは言語聴覚士として大切なことです。
また、出産と子育ての経験がある言語聴覚士なら、患者である子供さんのお母さんと、同じ母の立場として親身になって話ができるということもあります。
さらに、家庭をもっていて子育て中の言語聴覚士にとっては、働いている環境はとても良いです。
言語聴覚士の特徴は、医療職ですが当直や夜勤がないということです。
外来などの診療時間は決まっているので、時間をうまく使える仕事です。
また、保育所がある病院や福祉施設がほとんどで、女性が働きやすい環境が整っています。
なので、結婚しても仕事を辞めることは、ほとんどないようです。
もし一時的に辞めても、他の職場で意欲的に復帰できます。
このように、生活と両立しながら働けるのが言語聴覚士の仕事です。
また、研究職を意欲的に目指して、ずっと勉強しながら働くことも研究熱心な人にはできます。
臨床という現場では、患者さんのことを一番に考えるので、疑問などがたくさん出てきます。
だから、言語聴覚士には研究に熱心な人が多いようです。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士による嚥下障害への対応
嚥下障害のある方に対し、言語聴覚士は検査や訓練を行って援助をします。
嚥下障害は、その程度により症状はさまざまです。
障害が重度の場合は、口からまったく食べることができない方もいます。
しかし、食事の仕方を工夫することで、多くの方がなんとか口から食べることができるようになります。
嚥下障害の方にとって、水やお茶のような液体が最も飲み込むのが難しいのです。
一見それらは、飲み込みやすそうに思われますが、サラサラしていて通過するのが速いため、気管に入ってしまうことがあるのです。
だから、むせた場合に水を飲ませるのは危険です。
むせた場合は、せき払いをするように促し、収まるのを待ちます。
また、細かく食事を刻んだものも、嚥下障害の方にとっては、とても食べにくいのです。
刻んだ食事は口の中でバラバラになり、のどに残ってしまうという問題があります。
柔らかくてなめらかな食べ物が、嚥下障害の方には食べやすいです。
食事を食べやすくする工夫は、ほかにもいくつかあります。
水分を取るときにむせる場合のために、増粘剤という薬品を使うこともあります。
これは混ぜるとトロミが出てきて、食べ物を飲み込みやすくなります。
また、食べる物に気をつけていても、一口で食べる量が多ければ、誤って飲み込みやすくなります。
その方に合った量で、一口ずつゆっくりと進めていくことが大切なのです。
食事をする時の姿勢も気をつけなくてはいけません。
患者さんの食事中の姿勢も、言語聴覚士は指導します。
このように食事を食べやすくする工夫はいろいろありますが、患者さん一人一人に合った方法で食事をすることが重要です。
そのためには、専門的な検査を受けることが必要になります。
もし、嚥下障害の疑いがあるのなら、言語聴覚士のいる病院に相談してみてください。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
失語症とは
失語症は、言葉を理解し表現することに障害が起こります。
書いたり、聞いたり、読んだり、話したりすること、すべての動作に問題が起きてしまいます。
そのため、文字の読み書きにも同時に起こり、話せないからといって書いてもらうこともできません。
五十音表を使って、言いたいことを指差すことも困難です。
また、話していることが理解できなかったり、話が長くなると聞き誤ったり聞き漏らしていたりします。
失語症では、症状には個人差がありますが、このような問題が起きるのです。
このような失語症の患者さんと、言語聴覚士は、どのように関わっているのでしょうか?
失語症が軽い患者さんには、ゆっくりとせかさずに話を聞きます。
聞き手の方が話の要点を理解することが大切なのです。
また、聞き間違っていないか確認するために、表現を変えていくつか質問します。
失語症が重い患者さんで、自分からうまく話せない場合は、質問を「はい」「いいえ」で答えられるものにし、それに答えてもらいます。
この場合も、表現を変えて何度も質問して、聞き間違えてないか確認します。
また、絵を見せたりジェスチャーで表現したり、やさしい漢字の単語を使って、会話の中のキーワードを表示したりすると理解されやすいです。
失語症になってしまった場合は、言語聴覚士による訓練を受ける必要がありますが、リハビリは病院の中で行う訓練だけではありません。
退院してからも、家庭での日常生活におけるやりとりも、効果的なリハビリになります。
失語症で困っている方やその家族の方は、あきらめずにリハビリを続けることが大切です。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
子供のことばの発達
子供は一歳頃になると、少しずつ「マンマ」などの、意味のあることばを話すようになります。
そして、言語を使うことでコミュニケーションをとることに徐々に楽しさを感じるようになると、さらに大人とのコミュニケーションも求めるようになります。
そして、もっともっとことばが発達していくのです。
しかし、ことばの発達が何かの原因で遅れてしまう子供もいます。
ことばを話すための唇や喉などに問題があったり、知的発達によるものであったり、いろいろな原因が、その原因としては考えられます。
いつまでたっても子供がことばを話さないと、親としては心配になるのは当然です。
しかし、どこで相談すればいいのか悩んでいる方も多いでしょう。
教育機関では、ことばの発達についての相談は、盲学校や聾学校、養護学校です。
「ことばの教室」を開いている小学校や幼稚園もあります。
教育センターなどでも相談にのってくれます。
医療機関や保健機関では、小児科や耳鼻咽喉科に問い合わせてみて下さい。
また、ことばに関して専門的な言語聴覚士がいる病院や保健所などを探してみるといいでしょう。
もしも、あなたの大事な子供さんのことばの発達について、心配なことがあるようでしたら、困って悩んでいるだけよりも、このような機関に相談してみてください。
ことばの発達に関しては、個人差がとても大きいようです。
それが個性なのか、それとも障害であるのかを見極めるのは難しいことです。
しかし、子供さんがもっとも望んでいる言語のための、良い環境をつくってあげることが、親としての大事な役目だと思います。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士の役割
自分自身や家族が、耳の聴こえが悪かったり、ことばに障害があるように感じたら、どのようにしたらよいのでしょうか。
まずは言語聴覚士のいる病院に行って受診してください。
医療機関によっては、ことばと聴こえの障害に専門的な言語聴覚士が相談や訓練をしています。
老人性難聴の場合には、まず耳鼻科の専門医と相談してください。
そして、言語聴覚士のいる病院や補聴器適合士のいるお店を教えてもらってください。
また、教育機関、福祉施設、医療機関のそれぞれにおいて、子供さんの障害についての、相談や療育を行なってサポートしています。
養護学校や聾学校、教育センターなどの教育機関では、で相談を受けつけています。
また、健診の時などに保健センターで、何か心配なことがあれば、相談してみるとよいでしょう。
保健センターではいつでも相談にのってくれますので、健診の時でなくても、気軽に問い合わせてみてください。
きっとよい方法が見つかるはずです。
ことばや聴こえの障害について、医療の領域においては、もっとも歴史が浅いです。
病院では、難聴だと診断したり、生まれつき口蓋が裂けている口蓋裂などの、医療的な手術やそれを治療することは、以前から行われてきました。
しかし、医療機関でことばを取り戻すための治療やそのための訓練は、最近やっと行われるようになりました。
まだまだ言語聴覚士のいる病院は少ないかもしれませんが、もし子供さんの発達障害や難聴などについて心配なことがあれば、言語聴覚士のいる病院や施設に相談してみてください。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士が担当する聴力検査
言語聴覚士が担当する聴力検査にはさまざまな種類があります。
その中で、新生児期から乳幼児期までを対象としているBOA(聴性行動反応聴力検査)があります。
この検査は、乳幼児が聞こえてきた音に驚いたり、目を閉じたり、どこから聞こえてきたか探したりする、聴性行動反応を評価し示して、難聴であるのかどうか、またその程度について調べます。
検査に使われる音源は、鈴や紙もみ音を使います。
5・6ヵ月の乳幼児から1~2歳代の幼児を対象とするのは、COR(条件詮索反応聴力検査)です。
玩具などを音が聞こえてくる方に置き、音がするのと同時にその玩具が光に照らされるようにします。
そして、子供に何度も試してみて、音のする方に楽しいものが何か出てくる、ということを期待させて、それを視覚刺激として条件をつけておきます。
そのようにして、音だけで音源の方を見るかどうかによって、子供の聴力の程度を調べるのです。
知的発達面に遅れがある幼児にも、この検査を行ないます。
次に、ピープショウテストは、1歳代後半~2歳代ごろから適応できる聴力検査で、これは、遊戯聴力検査の一種です。
スピーカから音が聞こえてきたら、すぐにボタンを押すことで、おもちゃの家の部屋の中が、明るくなるように仕掛けをしています。
幼小児が検査を楽しんで受けられるように工夫された装置なのです。
子供にレシーバを装着することができれば、大人と同じように左右別々に聴力検査をすることができます。
まだ他にも、言語聴覚士が担当する聴力検査には、聴覚障害者で補聴器を装着している方を対象としたものや、人工内耳を装用している方を対象としているものなど、さまざまな検査を行なっています。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
高次脳機能障害の症状
「高次脳機能障害」という大脳が損傷したことにより、高次脳機能に障害をもつ患者さんも、言語聴覚士が担当する患者さんにはいます。
言語を使うこと、考えること、記憶すること、学習すること、感情をもつこと、などのヒトのもつ特徴的な高度な能力のことを高次脳機能といいます。
これらに障害をもつことを「高次脳機能障害」といいます。
失語症も高次脳機能障害の一種ですが、高次脳機能障害には、他にもいろいろ種類があります。
たとえば、麻痺しているわけでもないのに、手を動かすのが不自由だったり、目で見ている物が何だか理解できないことがあります。
また、右脳に損傷があると、左側のものに注意できなくて気づかないことがあります。
記憶障害においては、新しいことを覚えることができず、日常生活や仕事、勉強に差し支えます。
遂行機能障害という障害は、やる気が出なくてわがままになり、怠けたような態度をとったりします。
また、筋道の通った考え方や行動ができなくなったり、集中力に欠けたり、性格が変わってしまったりといった症状が現れます。
このような症状は、性格が問題だと人格を否定されてしまうことがありますが、決してそうではありません。
高次脳機能障害の患者は、自分でも症状を自覚できず、このようにさまざまな変わった症状が現れるため、周りの人からも理解されにくいことが多いです。
また、社会的にもあまり認知されておらず、誤解を受けることもあります。
だから、言語聴覚士などのリハビリチームによる専門的な訓練を受け、周囲がしっかりと理解し、支えていくことが高次脳機能障害の症状のある方には、必要なのです。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
聴こえの検査方法
聴こえに関しての障害というと、全く聴こえない状態だと思うかもしれませんが、物音がするとそれに反応していたり、会話がしっかりできているようでも、実は聴こえにいくらか問題のある場合があります。
軽中度の難聴があると、「音」としては話している声は聴こえるのですが、これが「ことば」として意味を充分理解することは難しいのです。
話していることが分かっているようであったり、会話ができているのは、目で見た情報や雰囲気などから、なんとか推測して話についていっているのでしょう。
しかし、2歳ごろになるとことばは増え始め、だんだん追いついていけなくなってしまいます。
そうなると、将来勉強したり社会に出たときに問題がいろいろでてきます。
もし、子供さんの聴こえに関して心配なら、まず簡単な検査をしてみてください。
まず、子供さんのうしろに気づかれないように行ってください。
そして、内緒話をするときのようなささやき声で、子供さんの名前を呼んだりしてみてください。
また、子供さんの耳のそばで、親指と人差し指で何度か指をこすってみてください。
ちゃんと聞こえていれば振り向くはずです。
軽中度の難聴があると、「ささやき声」は聞こえない場合が多いのです。
この検査をして振り向かない場合は、音を感じとりにくい病気があったり、乳幼児に多い「滲出性中耳炎」があるなどで、聴こえが悪くなっている場合があります。
何度やっても振り向いてくれない場合は、専門機関で言語聴覚士の聴力検査を受けてください。
また、聴こえに問題があることで、ことばが遅れている場合もあります。
言語聴覚士は、そのような場合にも相談に乗ってくれます。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士の仕事に向いている人
言語聴覚士の仕事に向いている人は、信頼関係を誰とでも築くことができる人です。
さまざまな分野で言語聴覚士は活躍していますが、最も多くの方は医療の場で働いています。
お年寄りから働き盛りの成人の方、小さな子供さんまで、医療の場では幅広い年代の方々が来ます。
リハビリテーションの内容はそれぞれ違いますが、まずどんな方とでも信頼関係を築くことができなければ、うまく前へ進めません。
臨機応変に、みなさんと楽しみながらコミュニケーションをとることが、言語聴覚士には必要となります。
それぞれの方に正しい対応ができ、また、患者さんに良いリハビリテーションを行なうため、日々知識や技術の向上に努める言語聴覚士は、多くの言語聴覚障害者に必要とされるでしょう。
言語聴覚士が担当する患者さんは、うれしいこと、不安なことなどのいろいろな感情を、なかなか伝えられない方がほとんどです。
そのような患者さんが言いたいこと、伝えたいことを、気づいてあげようと言語聴覚士は努力しなければなりません。
そのためには、専門的な知識も必要ですが、患者さんがわかるように工夫する表現力、周到な観察力や豊かな想像力などが必要になります。
そして、患者さん自ら話したい、という思いを起こさせることも大事です。
このように、素晴らしい言語聴覚士になるには、さまざまな場面にも対応できる人間性があり、どんな方とでもコミュニケーションをとれる能力もつことが必要なのです。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
吃音について
コミュニケーション障害の一種に「吃音」があります。
一般的「どもり」と言われている障害が吃音です。
言葉がスムーズに出ず、話しにくさが特徴です。
本人は、頭では言いたい言葉が分かっているのに、それがなかなか出てこないのです。
吃音は、「こ、こ、こ、こんにちは」のように音を繰り返す連発性、「・・・こんにちは」のようになかなか始めの音がでない難発性、「スーこんにちは」のような音を伸ばして話す伸発性といった発声をします。
また、なんとかことばを出そうと、しかめた顔をしたり、足踏みをして声を出すなど、瞬間的に動作をしてしまう随伴症状を伴うこともあります。
吃音が起こる年齢は2~4歳が多く、男性の方が多く発症するようです。
幼児期に吃音の症状が出た場合は、親はそれに対して叱ったり、せかして早く話させようとしないでください。
ゆっくりと子供の話を聞いてあげようとする、優しい態度が必要なのです。
また、ことばを話すのがつらそうな人に出会ったら、その人の話そうとすることによく耳を傾けて下さい。
そして、あなたの身の回りにも、吃音で悩んでいる人が多くいるという事実を、知っていてほしいと思います。
しかし、子供が吃音のことに気づき困っているようなら、「ことばの教室」などに問い合わせてみてください。
言語聴覚士などの専門家が、「ことばの教室」では相談に乗ってくれます。
しかし、吃音を専門的に扱っている言語聴覚士はあまり多くはないようです。
ですから、今後の課題として、吃音を専門とした言語聴覚士を養成していくことが重要です。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
認知症について
言語聴覚士の対象といている障害には、高次能機能障害というものがあります。
高次機能障害は、言語や記憶、思考などの高次脳機能に障害が起こることをいいますが、それが全般的に低下することを認知症といいます。
認知症と老化によるボケとは違います。
認知症では、物忘れや徘徊、失禁などの行動を起こし、日常生活に支障が出てきます。
その背景には、患者さん一人一人の理由があります。
だから、無理やり問題行動を直そうとするのではなく、そうなってしまった理由を理解して、適切に対応するが大切なのです。
認知症になる原因には、脳卒中で脳に損傷を負ったり、アルツハイマー病のような脳細胞が死んでいく病気などによります。
このような場合は、医学的な治療やリハビリテーションが必要です。
また、一時的に脳に異常が起こったときや、脱水によって、認知症のような症状が現れることがあります。
この場合は、画像診察などで原因を明らかにし、適切な処置によって治ることが多いです。
だから、何かおかしいと思ったら、早い時期に病院で受診するようにしてください。
また、認知症の原因には生活環境も影響します。
例えば、社会的に孤立していたり、ずっと寝たきりでいたり、周囲から刺激されることがないと認知症の要因となります。
そして、その状態がそのまま放置されると、ますます認知症がひどくなる可能性があります。
そのようなことにならないように、何かできる範囲で役割をもってもらう、日常生活においてなるべくたくさん会話をするなど、できるだけ頭を働かせるようにしないといけません。
また、認知症は、環境の変化にストレスを感じて、発症させることがあります。
そのため、認知症のケアや予防するためには、環境を安定させストレスのない人間関係が大切です。
家族や周りの方に認知症の疑いがあったり、介護で悩んでいる方は、言語聴覚士がいる病院や保健センターに問い合わせて相談して下さい。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
摂食・嚥下障害への言語聴覚士の対応
老化や脳卒中などによって、摂食や嚥下機能など食べるための機能に障害のある方々に、その機能を回復するため、そして、食べることの楽しさを、再び感じてもらうためのリハビリテーションを言語聴覚士は行っています。
では、摂食・嚥下障害とはどんな障害なのでしょうか。
摂食とは食べることを意味し、嚥下とは飲み込む行為のことを指し、口から胃へ食べ物を送る運動のことを意味します。
そして嚥下障害とは、飲み込むときに生じる障害を意味します。
この障害は、好きな食べ物を食べる楽しみを、奪ってしまうことも問題です。
また、食事の量が不足すると脱水症状を引き起こしたり、栄養が低下する恐れもあります。
さらに、誤って飲み込んで気管に入ってしまった食べ物は、肺炎を引き起こしたり、気道をふさいでしまって窒息の危険があります。
最大限に摂食・嚥下能力を向上させ、摂食能力が快適で、医学的にも安定した状態を確立することは、嚥下障害のある患者さんとって、とても大事なことになっていきます。
言語聴覚士が行っている、摂食・嚥下障害のためのリハビリテーションが、その方法の1つとしてあります。
そこで行なう間接訓練では、飲食物を使わないで行ないます。
この訓練は、摂食と嚥下に関わる器官を、よりよく働かせるために行ないます。
また、実際に食べ物を使って行なう直接訓練では、食べ物を噛み砕いたり、飲み込む練習を行ないます。
食事前の訓練として嚥下体操をすることで、口や舌が食べるための準備ができます。
嚥下体操をするようになってから、食べるときにむせることが少なくなったという方も多くいます。
このように、栄養障害や誤嚥による肺炎などを予防し、できるだけ口から食べられることを目標に、言語聴覚士はリハビリテーションを行っています。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
人工内耳について
補聴器は、これまでは、一般的に難聴のための補装具として使用されてきました。
軽度~中等度の難聴なら、補聴器を装用することで会話をすることができます。
しかし、両耳が高度難聴であるのなら、補聴器はあまり効果がなく、会話をするのが困難になります。
その点、人工内耳はそのような高度難聴に対して、とても効果的な医療機器です。
また、生まれつき耳が聞こえない子供に、早い時期に人工内耳を装用して、訓練を行なうことで、音声言語の習得がよりスムーズになることも期待できます。
人工内耳は、体外装置と体内装置の2種類の装置からなり、体内装置は手術で耳の後ろに埋め込む必要があります。
手術前に、人工内耳が適応できるかどうかを判断するため、検査をいくつか受ける必要があります。
手術は全身麻酔をして行ない、2~3時間程度で終わり、入院してから2、3週間で退院できます。
一度手術をしてしまえば、基本的には再び手術をする必要はありません。
手術による副作用もほとんどありません。
手術費用の自己負担額は、数千円程度で済んでしまう場合が多いです。
体外装置は補聴器のような形で、装用後も以前とほとんど変わりなく日常生活を行なうことができます。
入浴も、体外装置を外せば可能です。
人工内耳を装用した後の、聞き取る能力は一人一人違います。
だから、良く聞こえているかを言語聴覚士が評価し、機器の調整を定期的に行うことが必要です。
でも、人工内耳を装用するとほとんどの方が、聞き取り能力が向上し、生活しやすくなったと感じています。
もし人工内耳の装用について考えている方がいたら、言語聴覚士や耳鼻科医に相談してください。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士の訪問リハビリテーション
言語聴覚士による訪問リハビリテーションが、平成16年4月に診療報酬改定されて、認可されました。
その後、言語聴覚士の訪問リハビリテーションを開始する病院が徐々に増え始めました。
相澤訪問ひまわり看護ステーションの訪問リハビリテーションでは、失語症の方に対して、言葉を話す練習や、文章を読む練習、そして日常生活における言語に関する助言などを行なっています。
また、インターネットを使って、実施した自主課題の教材を、アドバイスしています。
患者さんは、自宅でリラックスした状態で練習することができので、とてもよい効果が出ているようです。
たとえば、訪問するたびに何かできることが増えていたり、急に単語が出たり、漢字を読めることがあったり、文章を話すことができる時もあるようです。
このように、少しずつ確実に前進している患者さんもいます。
退院したばかりで歩行ができるか、うまく会話ができるようになるかなど、在宅での訪問リハビリテーションを始める前は、いろいろな心配や不安がある方が多いと思います。
しかし、訪問リハビリテーションを受けていくうちに、だんだんその不安がなくなり、希望がもてるようになると思います。
病院へ通うのが困難な方や、退院してからの自宅での生活に不安がある方はとても多いと思います。
自宅で行なう言語の訓練や嚥下訓練や指導などは、言語聴覚士の専門的なアドバイスが必要な方々にとって、とても望ましいものです。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
構音障害の治療
構音障害とは、筋肉や神経の病気によって、話すために働く筋肉が動きにくくなり、ろれつが回らないような状態になる障害です。
その原因となる疾患によって、異なる症状が現れます。
主な症状は、違った音が出ていたり、発音したつもりの音がはっきり出ていなかったり、話す速さが早くなったり遅くなったりします。
運動性構音障害は、言語聴覚士によるリハビリテーションで治療を行ないます。
まず訓練を行なう前に、不自然な姿勢や筋肉の緊張を和らげてから、頭と頸を安定しながらリラックスした状態で始めます。
次に呼吸訓練をするため、正しい呼吸運動をするための姿勢を指導します。
そして、空気を急速に吸ったり、息を止めたり、息を吐いている時間を延ばす練習をします。
また、患者さんが息を吐き切った後、言語聴覚士が胸郭を圧迫することで、息を吐く時間をさらに延ばさせます。
さらに、ストローでコップに入った水を吹く練習などがあります。
空気が鼻に漏れる状態の鼻咽腔閉鎖不全によって、話をするときに開鼻音(発声が鼻に漏れる発声)となる場合、舌圧子を使って軟口蓋を上にあげて母音の発声をさせます。
また、軟口蓋の動きの感覚を、氷刺激を与えることによって、戻します。
実用的な発話が成し遂げることができないときや、発話以外の方法とも併用した方が効率がよくなるときは、字を書くことができるのなら、メモ帳やホワイトボードを使ったりします。
重度の障害の場合は、簡単なジェスチャーや五十音表で指さしをします。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
琴の浦リハビリテーションセンターの訓練内容
和歌山県の琴の浦リハビリテーションセンターでは、脳卒中などによる後遺症で、ことばや食べることにおいて障害をもつ方に対する訓練を行なっています。
ここでは、ことばや食べるための機能を向上させ、社会に適応できるような能力を獲得できることを目標にして、集中的な訓練プログラムをもと訓練をします。
訓練の対象としている障害は、脳卒中などによりうまく話すことができなくなる運動障害性構音障害、言語中枢の損傷により話すことができなくなるなどの失語症、口腔器官に障害が起こりうまく食べられなくなる嚥下障害、どもりなどの吃音です。
嚥下障害について、主に神経筋疾患や脳卒中によるものがリハビリテーションの対象になります。
個人訓練は、担当の言語聴覚士と一対一で行います。
1回の訓練は約40分です。
失語症の患者さんの場合は、それぞれの症状に合わせた言語訓練を実施しています。
また、発話の訓練では絵カードを使うこともあります。
運動障害性構音障害の患者さんの場合には、発音の仕方と話し方の訓練が主な内容となります。
嚥下障害の患者さんの場合は、安全に食べ物を食べられるように、嚥下反射や口腔機能を改善させる訓練を行っていきます。
グループ訓練では、心理的、社会的な面から主に行われます。
この訓練によって、患者さんに人前で話す機会をつくり、話すことに対して自信をもってもらったり、孤独感から開放させることを目的にしています。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士の青年海外協力隊での活躍
青年海外協力隊でも言語聴覚士は活躍しています。
ある方は、言語聴覚士として7年間病院のリハビリテーション科で勤務した後に、2年間青年海外協力隊としてメキシコで言語聴覚士と活動したそうです。
言語療法室を市のリハビリテーションセンターに開き、言語聴覚療法を行なうことが、その派遣の目的でした。
リハビリテーションセンターの勤務時間は、月曜から金曜の朝8時から午後3時までです。
初めの1ヶ月半は開設するための準備として、小児、成人用の検査訓練のための教材や検査用紙を作成したり、訓練に必要な用具を収集したり、言語室の整備をしたそうです。
その後、言語療法室を開設して、宣伝効果もあり開設直後から予約の患者さんでいっぱいだったようです。
個別訓練を重視するようにして、基本的には訓練の時間は1時間としましたが、希望者や軽度の対象者が多く、2人のグループにしたり、30分の訓練時間にする場合もあったそうです。
言語発達遅滞、聴覚障害、口唇口蓋裂、自閉症、吃音、構音障害などの障害をもった子供が対象で、患者さんの8割が小児です。
成人は、吃音、脳卒中の後遺症による失語症、嚥下障害、構音障害などが対象です。
苦労したことは、現地の方は訓練に行けば、それだけで良くなると思ってくる人が多くて、家族に説明するのに言葉や文化の違いで、なかなか思ったように上手く説明できなかったことだそうです。
そのため、お楽しみ会などのイベントを開くことで、説明の場を設けたりもしたようです。
この言語聴覚士の方は、たくさんの人に恵まれ、すばらしい友達ができ、旅行では決して味わえないような、貴重な体験をすることができたようです。
もし青年海外協力隊に興味がある言語聴覚士の人がいたら、行ってみると良いかもしれませんね。
カテゴリー:言語聴覚士の仕事
言語聴覚士は、病院やリハビリテーションセンター、福祉施設などに勤めて、病気やケガなどによって、音を聞くことや言葉を話すことが困難な患者に対して、コミュニケーション能力が向上できるように、訓練や指導を行うのが仕事です。
言語聴覚士は、知的障害などで言葉の発達が遅れている子どもの言語指導も行います。言語聴覚士の仕事をひとことで言うと、コミュニケーションと食事に障害のある方の支援をする仕事です。
言語聴覚士は医療機関、保健・福祉機関、教育機関など幅広い領域で活動し、コミュニケーションの面から豊かな生活が送れるよう、ことばや聴こえに問題をもつ方とご家族を支援します。
Powered by
Movable Type 3.35
